
【開催レポート】沖縄県経営者協会「第14期 実践経営塾 後継者育成セミナー」にAIセミナー講師として登壇しました
2026年9月10日、沖縄県経営者協会が主催する「第14期 実践経営塾 後継者育成セミナー」に、弊社代表 照屋寛樹 が講師として登壇いたしました。
テーマは「AIを活用した経営実務」です。
ご参加いただいたのは、沖縄県を代表するリーディングカンパニーの経営幹部のみなさま、約30名。昨年に続いてお声がけをいただき、2年連続の登壇となりました。貴重な機会をいただきました沖縄県経営者協会のみなさま、そしてご参加いただいたみなさまに、心より御礼申し上げます。

「AIに何をさせるか」ではなく、「人が何に集中するか」
今回のセミナーで軸に据えたのは、人にしかできないことに集中するために、AIをどう使うかという考え方です。
ツールの操作を覚えることがゴールではありません。人の判断・関係づくり・意思決定といった、人にしかできない仕事に時間を戻すための手段としてAIを位置づける。そのうえで、それを個人の工夫で終わらせず、組織にどう浸透させるか。
この2点にフォーカスして、弊社が提唱するBUDDYフレームワークをご紹介しながら、実践を交えてお話しさせていただきました。
また、ソフトバンクの孫正義氏の動画も共有いたしました。ここでお伝えしたかったことは、AIに仕事を奪われるのではない、AIを使う企業に仕事を奪われるのだという点です。
SoftBank World 2026 孫正義 特別講演
当日の内容
ChatGPTの音声モードで出欠確認
会の冒頭、アイスブレイクとしてChatGPTの音声モードによる出欠確認を行いました。AIがお一人ずつお名前を読み上げ、みなさまに「はい」とお返事いただく、というものです。
ねらいは、AIを「見るもの」から「使うもの」に切り替えていただくことでした。声が出て、名前が呼ばれて、自分が返事をする。この最初の数分があるだけで、会場の空気が一段やわらかくなり、その後の実践への入り方が明らかに変わりました。手ごたえのある入口だったと感じています。
手のひらの写真から占う/画像生成のプロンプト
続いて、手のひらの写真をAIに読み取らせて占ってみるデモと、画像生成のプロンプトを体験していただきました。
画像生成では、手相の占い結果を画像にしてみたり、目の前のペットボトルを自社のノベルティー用にリデザインする実践を行いました。
遊びのように見えて、ここで学んでいただいたのは「AIへの伝え方で結果が変わる」という一点です。同じ写真、同じテーマでも、指示の出し方ひとつで返ってくるものがまったく違う。この感覚を先に持っていただくことで、後半の実務プロンプトの理解が早くなります。

ペットボトルの写メと名刺の写メをGeminiに入れて、フェス用にノンアルのノベルティーとしてデザインしてと指示。
「導入するかどうか」の議論は、もう終わっている
冒頭では、いま日本企業がどの地点にいるのかを、データで共有しました。


生成AIを使うことは、もう例外ではない
業務で生成AIを利用している日本企業は 86.4%。前年度の 55.2% から、1年で31ポイント増えています。
出典:総務省『情報通信白書』2026年版
「導入するかどうか」を議論する段階は、すでに終わっています。
それでも、4社に1社は「組織として何もしていない」
一方で、「組織的な取組はない」と回答した企業の割合を見ると、様相が変わります。

| 「組織的な取組はない」と回答した企業 | |
|---|---|
| 日本 | 27.0% |
| 米国 | 1.4% |
中小企業ほど、この比率は高くなります。使っている人はいる。けれど、会社としては何も決めていない。 これが日本の平均的な姿です。
差がついているのは「使い方」ではなく「土台」
さらに、日米の差がどこに出ているのかを見ると、答えははっきりしています。

| 日本 | 米国 | |
|---|---|---|
| 社員がAIを学べる環境がある | 39.9% | 62.7% |
| 社内データベースが整っている | 24.5% | 57.2% |
差がついているのは、個人のプロンプトの巧拙ではありません。学ぶ場と、AIに渡すデータ。つまり会社が用意すべき「土台」の部分です。
2.個人の利用が、会社の成果に変わらない3つの理由
では、なぜ「使っている人はいるのに、会社の成果にならない」のか。当日は3つに整理してお伝えしました。

| 何が起きているか | |
|---|---|
| 01 / NO BASE 使ってよい範囲が決まっていない |
禁止か放置の二択。判断が現場任せになり、堂々と使えない。 |
| 02 / NO PURPOSE 何のために使うかが揃っていない |
「使うこと」が目的化し、成果が測れず予算が続かない。 |
| 03 / NO DESIGN 誰の何の仕事を任せるか決めていない |
ツールは配られたが、業務は1ミリも変わっていない。 |
いずれも、現場の努力不足ではありません。経営が決めていないことが原因です。
3.AI経営は、この5ステップで回す ― BUDDYフレームワーク
弊社がご提案しているのが、BUDDYフレームワークです。

| ステップ | 何をするか | 具体的には | |
|---|---|---|---|
| B | Build | 土台をつくる | ルールとデータ |
| U | Unite | 目的を揃える | 経営目標と結ぶ |
| D | Delegate | 任せる | 業務を仕分ける |
| D | Develop | 育てる | ノウハウと人 |
| Y | Yield | 成果を出す | 測って次に回す |
5つの頭文字をつなぐと BUDDY = 相棒。AIを道具ではなく相棒にするための順番です。
つまずきの多くは「Dから始めた」ことが原因
このフレームワークで最もお伝えしたいのは、順番です。

| BEFORE:いきなり Delegate | 全社にツールを配布 → 使い方研修を1回 → 「あとは各自で」→ 3か月後には誰も使っていない。 |
| AFTER:Build → Unite → Delegate | 使ってよい範囲を決め、狙う成果を揃えてから、任せる業務を選ぶ。使う理由が現場にある状態をつくる。 |
多くの企業が、BとUを飛ばしてDから入っています。ツールを配ることは「導入」ではありません。先に土台と目的を置く。ここを変えるだけで、定着率はまったく違ってきます。
現場で見えた、いまの課題
印象的だったのは、ご参加企業のほとんどが、すでに社内でAI導入を進めておられたことです。なかには具体的な成果が出はじめている企業もありました。沖縄県内の企業のAI活用は、想像以上に進んでいます。
一方で、多くの企業に共通して残っていた課題が2つありました。
- AIを利用するためのルールが定まっていない
- 人がやることとAIがやることの役割分担が、明確化・明文化されていない
この2つが決まらないまま利用だけが広がると、現場では「使っていいのか分からないから、使わない」か「各自の判断で、バラバラに使う」のどちらかが起こります。どちらも、組織としての成果にはつながりにくい状態です。
導入のフェーズは終わりつつあり、いまは「決める」フェーズに入っている。 今回、多くの経営幹部のみなさまとお話しするなかで、あらためてそう感じました。
プロンプトの4点セット ― 部下への指示と、まったく同じ
実務で使うプロンプトについては、必ず伝える4点に絞ってお伝えしました。

| 項目 | 何を伝えるか | |
|---|---|---|
| 1 | 役割 | 誰として答えてほしいか。AIの立ち位置を決める。 |
| 2 | 目的 | 何をしたいのか。ゴールをはっきりさせる。 |
| 3 | 条件 | ルールとNG事項。範囲をしぼる。 |
| 4 | 形式 | どんな形で出すか。見た目を指定する。 |
これは部下への指示と、まったく同じ4点です。「AIだから特別なことを覚える」のではなく、すでにできているマネジメントの言語化を、そのままAIに向ける。経営幹部のみなさまに最も納得していただけたポイントでした。
実践:Gemini と NotebookLM をスマートフォンで
後半は、Gemini と NotebookLM のスマートフォンアプリを使った実践です。パソコンの前に戻らなくても、その場で、手元の端末で試せることを体感していただきました。

とくに NotebookLM は今回が初めてという方が多く、「自社の規程を入れたらどうなるのか」「どこまで信用していいのか」といった具体的なご質問・ご相談を数多くいただきました。手を動かしていただいたからこそ出てくる問いばかりで、こちらとしても学びの多い時間となりました。
音声トレーニング教材は「お土産」として
当日は時間の都合上、実施を見送りましたが、音声入力でAIを操作するためのトレーニング教材を、ご参加のみなさまへのプレゼントとしてお渡ししています。「会社に戻ってから、ぜひ試してみてください」とお伝えしました。

セミナーは、その場で終わってしまうともったいない。持ち帰って、翌日の仕事で一度でも使っていただけたら――そんな思いでご用意したものです。
おわりに
2年続けてこのような場にお声がけいただけたことを、たいへんありがたく思っております。ご参加いただいたみなさまの真剣なまなざしと、次々に出てくるご質問に、こちらが背中を押される時間でした。
BrandBuddyz合同会社では、AI活用の社内ルールづくり、人とAIの役割分担の設計、そして組織への浸透まで含めたご支援を行っております。セミナー・研修のご依頼、社内でのAI活用に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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